
日常の冒険といえば、通勤通学の道を変えるとか大胆なファッションをとりいれてみるとか、いろいろありますが、自分の生活を充実させるという意味では、音楽、それも子供のときにやっていた楽器を再開するとか、新しく楽器をはじめるというのはいかがでしょう。
ギターなんかは大人になってからでもかなりのレベルまで到達可能だと思いますが、フレットのないバイオリン見たいな弦楽器は小さいときに始めなければ厳しいかもしれません。
とはいえ、プロをめざすのでなければ、何歳になっても新しい楽器に挑戦することはできます。実際、けっこう多くの人々が大人になってから、誰かに言われたのではなく、自発的に楽器をはじめて楽しんでいます。これは客観的な裏付けのある事実で、一度きりの人生、楽しんだ者勝ちですよね。
勝ち負けはどうでもいいし、まあ、第三者から見れば自己満足なんでしょうけれど、逆に自己満足で何が悪いってことでもありますよね。趣味って、だいたいそういうものですし。
「本当に大人になってから楽器をはじめてどれくらいできるのか」という人には、この本はいかがでしょう。
『ネヴァー・トゥー・レイト 私のチェロ修行 』ジョン・ホルト著 春秋社
著者はアメリカの教育者・教育評論家で、ホームスクーリング(学校に行かなくても学ぶことができる)の提唱者として知られています。10冊を超える著者があり、その多くが日本語でも翻訳されています。
上記の本(和訳)は20年ほど前に出たので絶版になっていますが、現在でも古本としてアマゾンなどでは入手可能です。
大人になってから、一般には難易度が高い(とっつきにくい)と思われている弦楽器を習うようになり、そのときの様子が正直に語られています。
タイトルの Never Too Late (遅すぎることはない)はいかにも教育関係者という言葉ですが、新しく何かをやってみようという人の背中を押してくれるでしょう。
というわけで、自分のやりたいものをやるのが一番――ここでは大人でも比較的にやりやすい楽器を選んでみました。
やりやすいというのは、簡単というのではなく(どんな楽器でも上をめざせばきりがありません)、自分の部屋や家の外に音が漏れないよう音量を調節できるものなら、時間や場所に制限されず、いつでも隙間時間に練習できるという意味です。
楽器だから音が出るのは当然です。たとえば子供の頃に習っていたピアノを再開しようとしても、アパートやマンションだったりすると練習する時間が限られたりするんですよね。
なので、そういう環境で楽器を始めるとなると、音量を調節できる電子楽器がおすすめ――そういう意味でのおすすめです。どこでもいつでも自分の都合のよいときに練習できるし、ヘッドホンが使えれば夜中でも問題なし。
というわけで、まずは定番のピアノを含む鍵盤楽器から
鍵盤楽器はグランドピアノやアップライトピアノだけじゃなく、電子ピアノや電子キーボード、シンセサイザー、エレクトーンと幅広く、自分の環境や予算に応じて自分で選べますよね。電子ピアノやキーボードは音量を調節できますし、ヘッドホンを使えば誰の邪魔にもなりません。
ご承知のように、ピアノ関係の教則本は非常に多いのですが、大人から始める場合、必ずしも子供のピアノ教室で定番のバイエルやハノンにこだわる必要はありませんね。とりあえず「指くぐり」とか「指またぎ」とか基本の指づかいを覚えてしまえば、あとは好きな曲をゆっくり時間をかけてやればいいだけ。
若いほど上達が早いでしょうが、遅くても問題はないです。若い人が一週間で弾けるようになる曲なら一ヶ月かければいいし、半年や一年がかりでも自分が楽しければいいんですから。そういう遅々として進まない練習の過程を楽しめるのも大人だからこそ。
今はそういう人向けに弾きやすいようアレンジした楽譜や曲集も豊富にそろっています。
『音符の読み方からはじめる 大人のための「ピアノ悠々塾」 入門編【CD付き】』
最初の一冊は、指番号や指づかいから説明されていて実際の音が聴けるものがよいですよね。ピアノの本は他の鍵盤楽器でもそのまま使えますし。それに実際の音が聴けるのは重要です。
でも、やっぱり定番の教則本は押さえておきたいという人には
『無理のない指のトレーニングのために 大人からはじめるハノンピアノ教本』
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
音符には指番号が振ってあるので、変な指づかいを覚えてしまうこともありません。
動画サイトでも「ピアノ 初心者」で検索すれば関係する動画が山のように出てきます。自分が弾きたい曲であれば問題はないですが、(再生数をかせぐためか)「やさしい」「簡単」が強調されすぎていてしかも曲目がヒットしたポップミュージックなど、かなり限定されているのが残念なところ、、、
やはり楽譜は必要ですよね。
『(CD付き) ピアノスタイル 大人のためのやさしく弾ける! ピアノ名曲30 』
リットーミュージック
クラシックから定番の洋楽、邦楽まで、ひととおり揃っているので、この中に弾きたい曲が入っていればラッキーで、しばらくは楽しめます。
さらに、クラシックやジャズ、ポップスなどジャンル別の曲集も充実しています。
自分の弾きたい曲が入っているか、アレンジされた難易度で自分に弾けるかなど、こればかりは書店で自分で実際に手にとってみないと判断できないでしょうが、次のような大人向けのシリーズが出ています。それだけピアノをやってみたいという大人が多いということですね。
「おとなのためのピアノ曲集」シリーズ
「大人のためのやさしく弾ける! ピアノ名曲」シリーズ
「はじめてでも最後まで弾ける大人のピアノ」シリーズ
「大人の簡単ピアノ がんばらずに弾ける初心者の〜」シリーズ
「ピアノスタイル」シリーズ
練習場所の確保が難しい管楽器には、電子楽器という手が——
たとえば、中高生で吹奏楽をやっていたりした人は、大人になってからも無性に吹きたくなったりしますよね。
フルートのような木管楽器はともかく、トランペットみたいな金管楽器になると、一般の住宅ではとても練習できない――です。
公園や河川敷に車をとめて練習してる人もいますが、都会では練習場所を見つけるだけでも一苦労。
貸しスタジオやカラオケボックスだと楽でいいんですが、その分、お金もかかるのでなかなか毎日というわけにもいきません。といって休んだりすると一歩前進二歩後退になりかねないし……
そういう人にはエアロフォンなどの電子楽器があります。
一台で音色もフルート風にしたりサックス風やトランペット風にしたりできますし、また電子フルートや電子トランペットなど単一音色の楽器もあります。ヘッドホンを使えば音を気にすることもありませんし。騒音を気にせず練習するには最適です。
『ウィンドシンセ新★定番レパートリー集【カラオケCD付】』
アルソ出版
奏法ではなく楽譜ですが、CDがついているので合奏が楽しめます。
人があまりやっていない珍しい楽器も面白いですよね。
テルミンは、知る人ぞ知る(あたりまえ!)不思議な楽器の代表格。
テレビなどで、ちらっと見たり聴いたりした人は案外多いのではないでしょうか。
手をゆらゆらさせるだけ(?)で音が奏でられるという、不思議な楽器です。
神秘的な感じもしますよね。上手下手もあまりなさそうだし――あくまでイメージですよ。
『テルミンとわたし─かたちのない、音のかたちを求めて』 竹内正実著 工作舎
テルミンの日本における第一人者による、テルミンってどういうものかがよくわかる本。
具体的な演奏法については、こちら
『テルミン学習帳』 佐藤沙恵著
アスキー
海外ツアーにも参加し、テルミン教室を開催している演奏家による演奏法の解説書。
おもしろそうだから、ちょっとためしてみようかなという人にはこちら
『大人の科学マガジン BESTSELECTION06 テルミンmini』
大人の科学マガジン編集部
学研プラス
雑誌の「名作付録復刻シリーズ」と銘打ったもので、乾電池で動く小型のテルミンが付属しています。
※これ自体から出る音は小さいので、人前でちゃんとした演奏を披露したいという人は別にアンプやスピーカーも必要になりますが、けっこう遊べます。



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