新しく何かに挑戦する勇気をもらえる本

知の冒険

新しく何かに挑戦する勇気をもらえる本をご紹介しましょう。

『ネヴァー・トゥー・レイト』 ジョン・ホルト著、松田りえ子訳

何かやりたいことがあっても、もう大人だからと年齢的な理由で諦めることってよくありますよね。習い事、特に楽器の演奏なんかはその一つでしょうか。

ピアニストや弦楽器でプロのソリストになるには、才能や能力以前に、成長や身体上の理由から一定の年齢になる前にはじめておかないと絶対に無理——ではあるものの、楽器を演奏するのは、何もプロを目指すためにやるだけではなくて、自分が楽しければOK、自分で楽しめればそれで良かったりもするわけです。

そういう人には年齢制限など、あってないようなもの。それがこのタイトルの「遅すぎることはない」。

著者は教育法の専門家で、大人になってからチェロを習い始め、地道な努力を続けて、アマチュアですが室内楽やオーケストラで演奏するまでになっていきます。

その過程を——ためらいや諦めなど気持ちの揺れうごきを含めて——包み隠さず述べた本です。

子供のときにやりたかったことがあればやってみましょう。上達は遅くても、学校と異なり、他人と競争する必要はないし、人生は一度きり、やって楽しんだもん勝ちです。

『七つの習慣』スティーブン・R・コヴィー著

あまりにも有名なので、ここで紹介するのも気が引けるくらいですが、何か新しいことを始めるには、まず問題のある自分の習慣を見直すという作業が必要ですよね。

七つの習慣とは、依存状態から、主体性を発揮(第一)して、目的を持って開始(第二)し、その際には重要事項を優先する(第三)ことで「私的成功」をおさめて自立し、相手との関係ではWin-Winをめざし(第四)、理解し理解される(第五)ことで相乗効果を発揮(第六)して公的な成功をとげ、さらに相互依存しつつ刃を研ぐ(第七)とされています。

口で言うのは簡単ですが、原理原則となる考え方が示されているだけなので、具体的に自分の生活に当てはめてどう活用するかは、自分で考えなければなりません。

テレビや動画で教えてもらうという受動的な対応ではなく、まずは自分の頭を使って自分ならどうするかを考えるということが、そもそもの第一歩になるということなのでしょう。

『コクヨのシンプルノート術』 コクヨ株式会社

方眼、横罫、無地というノートのタイプ別に、さまざまな人のノートの取り方、活用法が具体的に紹介されています。社員百人のノートが、優劣や比較なしに提示されているだけです。「たった1分ですっきりまとまる」というサブタイトル通り、きわめてシンプル。

私はこう使っています、このように利用していますという例が併記してあるだけです。仕事の内容や方法、手順は周囲の状況やその人の置かれた立場によって異なるので、自分のやり方を押し付けてこないところが好印象。

逆に、というかそれだけなので、どの方法や使い方が自分に適しているか、どれを採用するかは自分で考えなければなりません。その意味で、受け身で漫然と読むだけでは、効果が薄いでしょうね。

さまざまなハウツー本を読み漁り、ネットで拾った覚えたての知識をひけらかしつつ本人は一向に実行に移す気配のない「困ったチャン」にならないためにも、自分で自分に適したやり方を見つけて、まずは最初の一歩を踏み出しましょう。すべてはそこからです。

『書くことについて』 スティーヴン・キング

文章読本と名のつく本は山ほどありますよね。著者は言わずと知れたホラー小説の大家で、映画化された作品だけでも相当の数があります(数えるのが嫌になるほど)。ですが、およそ名文家とはいえないし、本人もそう思ってはいないようです。

では、なぜこの本かというと、良質な文章の書き方といったお上品なことが「何も書かれてないから」です。

教育委員会が眉をひそめるようなタイプのベストセラーを連発する作家が、自分流のやり方を赤裸々に(ほんとに「そんなことまで書いてしまっていいの?」と思うようなことも)述べた、限りなくお手本にはならない文章読本です。

とはいえ、作家の内実がわかるため、小説ではありませんが、広い意味で作家についての「お仕事小説」と呼べるかも知れません。作家志望者には、飲み屋で半分酔っ払った先輩作家の与太話に耳を傾けるような、親父ギャグの合間に自分の参考になる話が少なからずまぎれこんでいる——というような本。

『こころの旅』 神谷美恵子著

人が生まれて成長し、壮年期を迎えて老いていく過程――人生のそれぞれの段階について、その心のありようや変化について、精神医学の専門家の立場から書かれています。

前掲の文章読本と対局にある、じっくり読ませ、しみじみ感慨にふけさせる、心の旅についての折目正しい正統派の本です。というと堅苦しく感じる人もあるでしょうが、そんなことはありません。

無為に過ごした時間は、そのときは長く感じられるが後で振り返ると短く感じ、何かに打ち込んでいるときはあっという間に過ぎ去るが、後で振り返ると「内容ゆたかな時間であったと感じられるのではなかろうか」

こういった分析は非常に明晰かつ明確で、それが説得力のある文章で綴られています。

誇張した釣りの見出しや、知ったかぶり、フェイクが横行する時代には、かつてはこういう本が広く読まれていたと知るだけでもホッとする、そういう本です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました